下関市松屋地区での墓石の一部を再利用した移設・おまとめ工事②お墓の移設・おまとめ建立

ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。下関市から北九州を中心に、お墓専門にお仕事をさせていただいております、天の石材の天野です。前回のブログに引き続き、下関市松屋地区でのお墓の移設・おまとめ建立の工事の様子をご紹介します。山の上にあるお墓を解体して、お参りしやすい別の場所にある墓地へ、墓石の一部を再利用して移設・建立するという工事の後半になります。

 

下関市松屋地区 自治会管理墓地 移設リフォーム工事 石種:G623

 

下関市松屋地区での墓石の一部を再利用した移設・建立工事①山の上のお墓の解体工事

↑↑前回のブログはこちらです

 

解体前、山の上にあったお墓です。お参りが大変な場所にあったので、棹石と台座、墓誌を再活用して、別の墓地へ移設されることになりました。前回までの工事で、お墓の解体・お墓じまいが完了しました。再活用する石材は、工場へ持ち帰って洗浄等を行います。

 

こちらが移設先となる墓地です。たくさんの古いお墓が並んでいます。山の上にあったお墓よりも古いお墓で、土葬の仏様のようでした。場所としては、こちらの方がご自宅に近く低い場所にあるのでお参りしやすいところにあります。当初このたくさんの古いお墓も残せないかとご希望でしたが、山の上のお墓を下ろしてくるとなると手狭になってしまうので、かなり悩まれましたが、古いご先祖様の墓石は処分されることになりました。

 

古い墓石の解体にあたっては、ひとつひとつの墓石の下の土を少しずつとって、ひとつのお骨壺におまとめしてご供養することにしました。

 

古いお墓の解体中のようすです。ひとつずつ墓石を取り外していき、ある墓石は地中に埋まっていたので周りを掘り下げて取り出そうとしましたが、なかなか出てきません。最後にはクレーンを使って引き上げてみると、氷山の一角のようにかなり地中深くまで埋まっていました。昔のお墓なので、何か意図があって埋められていたのかもしれません。ひとつひとつ丁寧に取り外して土をとり、工事を進めていきました。

 

すべてのお墓の取り外しが終わり、周りのブロックなども取り外して一旦更地になりました。こうしてみるとよく分かりますが、変形した敷地です。

 

基礎工事に入りました。海から近い場所でお客様が地盤を気にされていたため、松杭を打ち込んで補強をすることにしました。

 

2mほどの長さのある松杭を打ち込んでいます。十分に打ち込んだら、通常の基礎工事を行います。

 

杭打ちが終わったら砕石を敷いて、地固めをします。松杭は最終的にはすべて打ち込みました。

 

地固めが終わったら、型枠を組んで配筋し、コンクリートを流し込む準備をします。変形した墓地の形状にあわせて基礎を打ちます。

 

基礎が仕上がりました。表面は金ゴテでなめらかに仕上げています。また、基礎の角の部分は欠けにくくなるように面木で抑えて角をとっています。

 

工場でのクリーニングの様子です。経年のサビを取り除くため、専用の洗剤をかけたところです。そうするとサビが洗剤に反応して、サビ部分がこのように紫色に変化します。

 

【洗浄中の動画 ※大きい音が出ますのでご注意ください】

その後、高圧洗浄機を使って洗浄します。石のクリーニングは簡単に汚れが落ちているように見えますが、汚れや石の仕上げの状態等に適した洗剤を使う必要があります。また、水圧をかけすぎると石が欠けてしまうこともあるので、細心の注意を払って行います。

 

現地では、新しいお墓の据え付けが始まりました。四角い穴は土残しです。ここからご遺骨を土に還すことができます。

 

横壁、手前の観音扉を据え付けました。このあと天板を取り付けて、工場できれいにしたお墓を据え、周りに玉垣を設置したら完成です。

 

移設・建立工事が完了しました! 敷地周りには玉垣を設置しました。ご希望で、もともとあったブロックと同じくらいの高さにしています。こうした古くからの墓地はかなり入り組んでお墓が建てられていることも多く、建てられた時期もまちまちです。どちらかを取り外した時に不具合が出ないように、注意を払いながら工事することも大切です。

 

既存の棹石と台石、墓誌を洗浄して設置しています。以前のお墓では、棹石の下に立派な加工の蓮華と座布団、猫足も付いていました。当時流行っていた形ですが、地震対策としてより安定感のあるお墓にするためこの形での移設となりました。汚れを落して、文字の色の入れ直しも行っています。観音扉式の納骨室は、扉に家紋を彫刻しました。

 

納骨室内部です。もともと10個以上のお骨壺がありましたので、2段の棚石を設けて広い納骨スペースを確保し、今あるお骨壺は上の段にすべて納めることができました。お骨壺の中のご遺骨は一度乾燥させてから入れ直しています。左右の壁石には空気穴を設けていますので、湿気が溜まりにくくなっています。

 

ふたつのお墓をひとつにまとめ、代々のお墓にする工事が完了しました。お客様はご近所にお住まいでしたので、工事中もたびたび見に来てくださって完成を楽しみにして下さっているご様子で、完成時には「暑い中、丁寧に仕上げていただいてありがとうございました」とねぎらっていただきました。大切にされてきた思い入れのあるお墓の一部を残す形で移設・おまとめができましたので、これからもこれまで同様、どうぞ末永くお参りいただければ幸いです。このたびは当社に工事をお任せいただき、ありがとうございました。

今回は、山の上にあるお墓の一部を再活用した移設、おまとめの工事をご紹介いたしました。下関市は山手に墓地があることも多いので、「お参りしやすい場所に移設したい」という問い合わせは多いです。移設にあたっては、今のお墓をきれいにクリーニングして再設置したり、耐震施工で据え直したりすることもできます。下関市内周辺であれば移設先の墓地探しもお手伝いいたしますので、お参りが大変でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談くださいませ。