納骨スペースがなくお困りだったお墓を、観音扉式のお墓へ建て替え。下関市吉見地区
ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。下関市から北九州を中心に、お墓専門にお仕事をさせていただいております、天の石材の天野です。下関市吉見地区にて、納骨スペースがなくお困りだった60年以上前のお墓を、観音扉式のお墓へ建て替える工事をお任せいただきましたので、ご紹介いたします!!
下関市吉見地区 墓石建替え工事 石種:インド産アーバングレー
今回ご相談をいただいたお墓は、下関市の山陰側、海沿いの吉見地区にありました。吉見地区は、下関フィッシングパークがあるところです。弊社のホームページをご覧になってお問い合わせくださいました。
ご相談のお墓です。昭和35年建立、60年以上が経ったお墓で、大切にお参りされてきたお墓でした。ご親戚の方が石屋さんをされていて、建ててもらったお墓だそうです。ご相談は、ご家族様が亡くなられて納骨をしたいけれど、納骨室のお骨がいっぱいなのでなんとかできないかという内容でした。水鉢をとりはずしてご一緒に納骨室を確認してみると、5つくらいのお骨壺が入っていました。通常は、納骨室の底に土のままの部分があって、そこに古いお骨壺を還すことができるのですが、こちらのお墓はその部分がなかったので、お骨を還すことができない状態でした。
「どうしたらいいですかね?」とお困りでしたので、状況を見てお墓の建て替えをご提案しました。最近のお墓は納骨室が観音扉式になっていて、納骨しやすく管理もしやすいお墓も増えています。お墓を一旦取り外して納骨室の底だけをリフォームすることもできますが、お墓も古くなっていますし、将来のことを考えると観音扉式に建て替えればお参りや管理がしやすくなります。ご説明すると、お客様も「そうするしかないね」とおっしゃって建て替えの方向へと決まりました。
こちらは花立です。最近のお墓はステンレスの花筒を入れたものがほとんどですが、60年以上前のお墓ですので、石に空いた穴に直接お花を供える形になっていました。お水を変えるにも倒して水を流す以外に方法がないので、手間暇がかかっていました。
線香立も、穴に直接お線香を立てるようになっています。お参りの際に不便なこうした点も、現代的なお墓に建て替えると格段にお参りがしやすくなります。
こちらはお墓の後ろにあった、さらに古いお墓です。おそらく昭和35年に建て替えられた時の前のお墓だと思います。建て替えにあたっては、今のお墓をきれいにしてから活用する方法もありますが、メリットもデメリットもご検討の結果、新しい石で建て替えることになりました。その際、これまで大切にお参りされてきた今のお墓とこちらの昔のお墓は、墓地の一角に残すことにしました。ご希望をうかがって図面とお見積りを作成し、工事をお任せいただきました。
工事が始まっています。事前にお施主様とお寺様で魂抜きを終えて、お骨の取り出しも済まされていました。お墓を上から順に取り外して、これから台石等を取り外していきます。
取り外した棹石と上台は、新しいお墓の後ろに安置することになりました。左は昔のお墓の棹石と上台です。汚れはできるだけ取り除いておきます。
お墓を取り外して、基礎も解体します。昔のお墓なのでそれほど厚みはありませんが、解体してきれいに取り外します。すべて搬出したら、新たな基礎を施工します。
殻を取り除いてから土を掘り下げ、砕石を敷いて転圧し地盤を固めています。
周りに木枠を組んで、中に鉄筋を組んで生コンクリートを流し入れる準備をしたところです。中央の木枠の中は、土のままで仕上げます。
コンクリートを流し込んで、しばらく養生期間を置いて基礎が完成しました。中央の四角い穴が先ほどの木枠の部分で、ここが納骨室の下にあたります。古いご先祖様のご遺骨は、ここから土に還すことができます。
観音扉式の納骨室をくみ上げています。一番下の芝台と、四隅の柱石、その間の壁石を据えています。体感では、下関で新しく建てられるお墓の8割以上は、この観音扉式になっています。
納骨室の天井になる、天板(スラブ)を設置しました。テープでこのあと設置するお墓本体の位置決めをして・・・
下台、上台と棹石を据えました。奥に古いお墓の棹石も設置しました。このあとは小物類などを設置して、完成です。
お墓の建て替え工事が完了です!
使用した石は、インド産のアーバングレーという青味のある御影石です。見た目にもとてもきれいで品質も高い、弊社でも人気の石です。
土台となる観音扉式の納骨室は、扉に家紋を彫刻しました。上のお墓本体は和型のお墓で、花立は着脱できるステンレスの花筒を入れているので、お水の交換も楽になりました。また、お線香も屋根付きの香炉であげていただけます。墓誌はこれまでありませんでしたが、ご希望で新設しました。
お墓の後ろに以前のお墓の棹石と上台までを、このように並べて安置しました。これまで大切にお参りされてきて思い入れもあるお墓を、できる限りきれいにして残すことができました。
お墓正面の文字は、実はこの以前のお墓の文字をトレースして彫刻しています。ご親戚の方に建ててもらったお墓なので、ぜひ残しましょうとご提案して採用いただきました。文字には黒色を入れています。
納骨室内です。底には明るい色合いの砂利を敷いて仕上げています。古いご遺骨を土に還すときは、砂利をめくって下の土の部分に還すことができます。また、奥に棚を設けて2段にして、将来的にたくさんのお骨壺を納められるようにしました。1段であれば6つくらい、2段あるので倍の10個以上は納めることができます。
左右の穴は空気口で、外側にはステンレスのカバーも付いています。納骨室内に湿気が溜まらないように、ここから外気を循環します。
お客様には、「良い石も使っているし、これで100年は大丈夫だね!」とおっしゃっていただけました。完成したばかりにも関わらず、「メンテナンスはどのくらいのスパンでしたらいいのか」といった将来のことも細かく聞かれて、「お墓を大切にしよう」と思ってくださっているお気持ちが伝わり、建立をお手伝いした私としてもうれしかったです。このたびは、当社にお墓の建立をお任せいただきまして、ありがとうございました。数ある石材店の中から、ホームページで見つけた当社にお声かけくださったことでご縁をいただけて、大変ありがたく思っております。これからもどうそ末永くよろしくお願いいたします。お参りされていて分からないことなどございましたら、いつでもご連絡ください。
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